こけしブログ第9回。おかっぱライター、今回はちょっぴりまじめに話します。

こんにちは、だいぶ髪が伸びた“おかっぱライター”夏井です。
昨年からスタートしたこけしブログも第9回となりました。これまではこけしの種類や産地、イベントなどを楽しく紹介してきましたが、今回はいつもよりも少しだけまじめに語らせてください。といっても、深刻な感じではないので気軽に読んでいただけたらと思います!

前回までの記事はこちら

第1回 東北のものづくりはスバラシイ。おかっぱライターがこけしの魅力、紹介します!
第2回 コレを知らないと始まらない、こけしの基本をお教えします。
第3回 産地へ行ってみよう 〜鳴子編〜。鳴子温泉はこけしパラダイス!
第4回 夏は秋田へ!湯沢へ!「木地山こけし展」8/20まで開催中です!!
第5回 約1時間で300本完売!「インディゴこけし」はこけし界のファッションリーダー!
第6回 こけしにもフェスがある!津軽こけし館の最大イベント「全国伝統こけし工人フェスティバル」に行ってきました!
第7回 飾るだけじゃないアイデアを提案!これがワタシ流「こけしの楽しみ方」
第8回 冬も湯沢へ!2/14・15はめんこいこけし&犬っこに会いに来てたんせ〜

巷では「ブーム」と呼ばれていますが…

10_01

「こけしは一度にたくさん買うものではないのよ。あれもこれもじゃなくて、本当に欲しいものを少しずつ集めていってね」。

これは、ある工房を訪れた際に、70歳を超えた女性工人さんから言われた言葉です。当時の私はこけしに興味を持ちはじめたばかり。(早くいろんなこけしが欲しい)と思っていたので、この言葉は心の奥にずっしりと響いたのでした。

[space]

10_02

伝統こけしは過去にもブームが起きました。戦前(昭和15年頃)に第一次、高度経済成長期(昭和40年頃)に第二次ブームが起き、現在“第三次ブーム”の真っ最中だといわれています。

昔はこけし愛好者といえば、文豪や旦那衆など男性が多かったそうです。確かに私の叔父も以前こけしの蒐集家でした。(上の写真は叔父宅の玄関です)

現在は若い女性を中心に人気を集め、“こけし女子”なんて言葉も生まれています。

人気があるのは大変喜ばしいこと。しかし、逆を考えてみるとどうでしょう。ブームが起きているということは、いつかは衰退する?

今はいいけれど、またいつ人気が落ちるか分からない。

高齢の工人さんの中には、過去の全盛期を経験してきた方が大勢いるでしょう。先述の女性工人さんも然り。良いときも悪いときも、じゅうぶん味わってきたからこそ、私にご自分の思いを伝えてくれたのかもしれません。

「今だけじゃなくこれからもずっと好きでいてね」

そんな想いをこめて。

工人さんの後継者不足が深刻です

10_03

工人さんはこけしを専門に製作している方が多数ですが、中には兼業で農家や料理人などをしている方もいらっしゃいます。それだけ不安定な職業だし、修業して独り立ちするためには何年もかかる。さまざまな理由で現在、後継者が不足しています。

工人さんにお会いするといつも考えます。(この方の素晴らしい技術を引き継ぐお弟子さんはいるのかな?)と。「もしいらっしゃらないなら、私がやります!!」なんて、言いたいけれど簡単には言えません。

もちろん、若手の工人さんが全くいないわけではありません。宮城県白石市では2013年に「伝統こけし工人後継者育成事業」として、弥治郎こけしの後継者を募集。採用された3名が2年間修業を積み、こけし工人としてめでたくデビューしています。この事業は再びスタートしたそうで、今後も若手の活躍が期待されています。

このような取り組みが全系統で行われればいいのですが、現実的には厳しい話。ここ秋田の木地山こけしも、工人さんの後継者不足が深刻です。

[space]

10_04

2つ上の写真は、山寺の石山和夫工人(2年前撮影)。そして石山工人が作ったこけしが、この写真です。可愛すぎますよね!胴模様はバラの花ですよ!顔はなんとなくご本人に似ています。

せっかくなので、石山工人の工房を訪れた際の話を少し。
私がお店に入ると誰もいなかったので、「すいませーん」と声をかけましたが返事はナシ。何度か呼びかけると、石山工人が枝豆をポリポリ食べながらお店に出てきました。そしてろくろの前へ座り、こけしを作り始めたのです。
腰には腰痛ベルト。見るからに辛そうです。それでも作り続けるのは、きっとこけしが好きなんですね。
高齢なので(後継者いるのかな〜?)と心配していましたが、ちゃんといらっしゃいました!良かった良かった。

こけしのためにできること

10_05

現在のブームをブームで終わらせないために、私ができることってなんだろう?仮にも私は『文字で伝える』という仕事をしています。微力だけど、こけしの魅力を少しでも多くの人に知ってもらい、後世へと繋げていきたい。というわけで、これからもこけしブログを書き続けたいと思います。